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門の束石の修復

 当家の門は6本の柱で支えられていて、柱は自然石を削った束石(つかいし)と呼ばれる土台石に乗っています。何年か前から南側の3つが地中に沈み込んで門が少し傾いていました。大工さんには、既存の束石を元に戻すのは無理だろうと言われましたが、オリジナルを大切にしたいので、DIYで修復してみることにしました。
 柱や梁が微妙に歪んでいたため、2019年5月から門全体をチェーンブロックで北側に引っ張ってできるだけ歪みを修正し、8月に入ってから修復工事に取り掛かりました。
門柱土台修理

 修復完了した中央の束石は、沈み込みと傾きが直って上部が水平になっています。 
 修復途中の束石は、コンクリートが固まって土を埋め戻せば完成です。
門柱土台(中)門柱土台(東)

 修復工事前の束石です。右側に傾きながら全体が沈み込んでいます。
 次からは、この束石の修復工事の様子です。
束石修復1

 最初に、6本の柱のうち基点とした北側の柱に、自作の水盛り管で目印をつけます。
 次に、これから工事を行う束石の柱にも、同じように印をつけます。
束石修復2束石修復3

 ジャッキを上げ下げしながら水盛り管で天井までの高さを確認し、基点の天井高に合わせます。
 高さの調整が終わったら、いよいよ石を掘り出す作業です。
束石修復4束石修復6

 周りの土を取り除くと石の傾き具合がよくわかります。
 人力で引っ張り出すのは無理なので、チェーンブロックを掛けるためワイヤーロープをセット。
 束石修復7束石修復8

 梯子に上ってチェーンブロックをぶら下げます。
 柱が傷つかないように端材でカバーしました。
束石修復11束石修復12

 石の角度を調整しながらチェーンブロックを巻き上げ、柱の下からを引き出します。振り子の要領で手前に引っ張るのですが、石が重くてうまくいきません。
 とくに穴から引き出すのが大変で、石とチェーンブロックの両方と格闘しながら、やっとのことで穴の淵に着地させました。
束石修復13束石修復14

 100㎏はあるでしょうか。ワイヤーの掛け方を失敗してバランスを崩したらと思うと恐ろしい…。
束石修復16

 穴の中の土を取り除こうとしたとき、鈍く光るものがぽろりと落ちてきました。なんと“古銭”です!錆がひどくてわかりませんでしたが、洗ってみると「寛永通宝」の文字。気づかなかったら土といっしょに捨ててました。
 なぜ束石の根元に古銭があったのかはわかりませんが、ご先祖様からのご褒美として大切にしたいと思います。
束石修復18寛永通宝

 掘り出した土は結構な量でした。
 穴の深さと石の厚さを測って、投入する砂利やコンクリートがどれくらい必要か見当をつけます。
束石修復19束石修復20

 自作の砂利選別機です。
 以前、前庭の排水をよくするため、敷いてあった砂利を取り除いたのですが、そのときの土や砂が混じった大量の砂利が山積みになっていたので、再利用するため作りました。
 ワイヤーメッシュに金網を結び付け、U字状にして脚立に括り付けます。一輪車を2台並べて、金網を斜めに設置します。上から土砂混じりの砂利を撒くと、奥の一輪車に土と砂が落ち、手前の一輪車に砂利が転がってきます。
 結構なスピードで選別できますが、砂利を放置してから時間が経ったため、生えてきた草の根っこが邪魔でした。
束石修復21

 穴に砂利を敷き入れて「ドン突き」と呼んでいる人力転圧器で突き固めます。
束石修復22束石修復23

 一輪車に砂利、砂、セメント、水を入れてコンクリートを練ります。ちなみに砂も、以前自家水道の砂通しに使っていたものを再利用。水は池の水なので、束石3つの修復で購入したのはセメント2袋だけでした。
 基礎代わりにコンクリートを投入し、固まるまで数日待ちます。
束石修復25束石修復26

 束石を再度吊り上げて柱の下に持っていき、力業で位置を調整します。
 石の上面が水平になり柱と密着しているのを確認したら、石の底が埋まるまでコンクリートを流し込みました。
束石修復27束石修復30

 コンクリートが完全に固まったら、ワイヤーをはずして土を埋め戻します。
束石修復31束石修復32

 これで束石の修復はすべて完了。
 水盛り管で確認したら、3本の柱の天井までの高さの違いはわずか数ミリでした。
束石修復35